1999年4月、ニューヨーク州で研修医として働いていた女性が、
ジョギング中に、シューズの右足側の靴ひもが左足側のかかと
上部にデザインされたプルタブに絡まったために転倒し、
その結果右手首の靱帯を損傷する重傷を負った。
この女性は、事故の原因がシューズの設計上の欠陥に起因する
ものであり、この事故によって右手首に力が入らなくなった
ために、手術ができなくなった結果収入減につながったと
して、問題のシューズを製造したメーカーを相手取り、損害賠償
を求めてニューヨーク州地裁に提訴した。
訴えの中で原告は、
・当該シューズは、靴ひもがあまりにも長すぎる上、かかとの
上部にデザインされたプルタブの材質も堅いため、ジョギング中に
靴ひもがプルタブに絡まって転倒を誘発しやすい点で、設計上
の欠陥が認められる。
・事故当時、付近を歩いていた別の女性が、転倒直後の原告
の左足プルタブに右足の靴ひもが絡まっていたのを見たとの
目撃証言もある。などと主張した。
これに対し、被告メーカーは、
・原告の主張では、当該シューズに設計上の欠陥があったことを
推定させるには不十分である。
・本件は技術的な問題が含まれており、設計上の欠陥と転倒
事故との因果関係を証明するためには、原告として専門家
証言が必要であるなどと反論した。
両者の主張を踏まえ、裁判所は、
・専門家証言はあくまで科学的・医学的根拠を必要とする
複雑な事案において、陪審の判断をサポートするために必要と
されるものある。
・本件においては、原告の主張立証の内容に鑑みれば、右足
の靴ひもが左足のプルタブに絡まったことが転倒事故の原因で
あることは、合理的な陪審であれば疑念を差し挟む余地はな
いと認められるため、被告が原告に専門家証言を求めること
は不要である。などと述べ、原告の主張を認めて被告を敗訴させた。
通常PL訴訟においては、製品の欠陥や、欠陥と損害の間の
因果関係については原告側に立証責任があります。本事案では、
原告側の立証責任を全うさせるべく、被告メーカーが原告に対し、
専門家証言の提出を要求したものですが、本件は、当該製品の
欠陥や欠陥と損害の間の因果関係がさほど複雑かつ難解とは
いえない事案であることより、専門家証言がなくともこの点
に関する原告側の主張立証は尽くされていると見るのが妥当
であると考えられます。
企業としては、立証責任の全うを原告側に強く求めること
も大切ですが、これが通らなかった場合も想定の上、自社製品
の欠陥の不存在を積極的に主張立証するための準備も並行的に
進めておくことが得策です。
全国47都道府県、企業向け損害保険相談取り扱い件数16,235件(平成30年)
労災・賠償保険の年間平均相談受付件数、400件超
損害保険事故処理件数年間平均90件超
現在、インターネット販売による企業向け損害保険相談にて、多くの取り扱い件数を誇る。
大手損害保険会社・営業・事故処理業務等、広く従事。
外資系大手生命保険会社にて、生命保険集中研修。
専門課程取得ライフコンサルタント認定(9900389340)
損害保険特級(一般)資格取得
変額保険資格
証券2級外務員資格・特級損害調査資格取得
厚生労働省ファイナンシャルプランナー技能士認定(F20210644108号)
全国MVPタイトルを2種目で獲得。
主席にて保険会社退社後、
有限会社東京リスクマネジメント設立
AFP資格取得、特定非営利活動法人日本ファイナンシャルプランナーズ協会加盟(No.39422473)
損害保険の大量のトラブルを解決していくうちに、それぞれ職業により発生するトラブルはほとんど同じだとということに気づきました。
損害保険の保険金が出る・出ないでトラブルになるのもほぼ一緒。
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