昨年、リコール隠蔽事件が発生した大手自動車メーカーでは、
品質保証本部内に、品質向上に取り組む「品質企画部」と、
市場の品質状況に対応する「品質調査部」を新設した。
また品質監理部は「品質監査部」に名称変更し、品質確保・
監査業務に特化することとした。
ここがポイント
この自動車メーカーでは、事件発生後、さまざまな再発防止
策を実施してきました。
今回のように機能毎に特化した組織体制とすることにより、
役割が明確化されノウハウの蓄積も期待することができます。
縦割りにより情報の共有化が妨げられないように、有機的な
連携を心がけた運営が効果を最大限にするポイントとなるもの
と考えられます。
厚生労働省が、狂牛病の予防的措置として、狂牛病発生リスク
の高い国の牛と、原産国を問わず牛の脳や胎盤などの危険部位
を使用した医薬品、医薬部外品、化粧品を回収するよう求めたこと
を受けて、28日までに約160社、1500製品以上の自主回収が行わ
れている。回収対象製品の詳細については、医薬品副作用被害
救済・研究振興調査機構が管理する「医薬品情報提供ホームページ」
(http://www.pharmasys.gr.jp)に掲載されている。
ここがポイント
これまで医薬品や化粧品によって人がクロイツフェルト・ヤコブ病に
罹患した例は報告されておらず、今回の回収は安全対策強化のため
の予防的措置と位置づけられています。一方で、厚生労働省は企業が
回収について自主的に報道発表を行うよう求めています。
今回のように現実的な被害発生の可能性が極めて小さいという特殊
事情を有する場合の公表については、回収の取り組み状況や社会の
情報開示の要請の強さ等を踏まえた上で判断する必要があります。
社会に公表する、しないに関わらず、企業としては、回収範囲、返送
方法等の回収の際に通常開示する情報に加え、
①今回の回収の位置づけ(あくまでも予防的な措置であり、過去に罹患
例がないこと)、②回収対象外の製品の安全性等について、関係先に
情報開示し、風評損害の発生の防止に努めることが重要です。
国民生活センター、消費生活センター等に寄せられた消費生活相談
件数が757,091件と過去最高を更新した(前年度に比べ10.6%増)。
また、危害情報システム(商品、サービス等により生命や身体に
危害を受けた、または受ける恐れのある事例を収集するシステム)に
寄せられた危害・危険情報も19,047件に上り、10.8%増加した。
ここがポイント
消費生活相談件数は年々増加する傾向にあり、またその中で苦情の
占める割合も確実に上昇しており、消費者の企業に対する厳しい姿勢
がうかがえます。
また国民生活センターは危害・危険情報が増加した背景として、食品へ
の異物混入など商品回収の社告が相次いだことが影響していると分析
しています。
このような中、製品の安全性に対する社会の要求はますます厳しくなる
と考えられ、メーカーとしては、安全性向上に向けての取り組みを継続的
に行うことが求められます。
糖尿病患者がインシュリンを自己注射する際に使用する注射器の
ピストンの先端の円盤状の部分が外れやすく、インシュリンが十分
に注入されない可能性があるとして、販売会社が自主回収を開始
したが、1ヶ月経過しても1割以下しか回収できず、福島県は薬事法
に基づく回収命令を出す方針を固めた。
ここがポイント
製品を回収する場合、対象製品の出荷数、出荷からの経過時間、
流通経路、ユーザー側での一般的な保管期間等の要素を考慮し、
予想回収率を設定した上で回収を開始することが必要です。
その際、単に出荷した製品数ではなく、市場での製品の滞留数を
把握することが重要です。
その上で、実際の回収率が予想回収率と大きく乖離している場合には、
合理的な追加措置をとる必要があります。本件で言えば、医療機関に
回収に関する掲示を依頼する、社告を追加実施する、営業社員が
取引先に個別照会する等が考えられます。
果汁、炭酸入りのサワー、チューハイ等の低アルコール飲料の外観が
清涼飲料と間違えやすいものが多く、誤って飲んだ、または購入したと
いう情報が1993 年度から現在まで13 件寄せられており、そのうち身体
に何らかの被害があったケースが8 件を占めている。
被害者は子供、高齢者に多く発生している。
ここがポイント
低アルコール飲料は家庭の冷蔵庫に保管されている際に、高齢者や
幼児が誤って飲む可能性が十分に想定できます。このため、今後深刻な
被害が出た場合には、予見された誤使用について対策を施していないのは、
指示警告上の欠陥とされる可能性が存在します。
メーカーとしては、アルコール飲料であることがはっきりと理解できるよう容器
の前面にアルコールであることを大きく表示する、子供にも理解しやすいように
漢字にふりがなを付す等の対策を検討しておくことが重要です。
東京都消費者月間実行委員会が食品メーカー200社を対象に実施した
トレーサビリティに関するアンケート調査結果を公表した(回答88社)。
調査によるとトレーサビリティを安全管理システムに組み込んでいると
回答した企業は77.3%だったが、すべての原料について生産者、生産
手法等を自社で把握していたのはその内の1割程度であり、
約7割が原料の調達先からの書面等による報告を受ける形式であった。
また、トレーサビリティに関する組織体制を構築していると回答した
企業は31社であった。
製品の不具合が判明した場合、原因究明や回収すべき製品の範囲を
早期に特定するために、原料や出荷済製品に関するトレーサビリティ
を確保しておくことが不可欠です。アンケート結果にも表れているよ
うに、近年、トレーサビリティ確保の取り組みを強化している企業が
増えていますが、必ずしも十分な水準に達しているとはいえないよう
です。
損失を最小限に抑えるためにも、①原料の製造業者の所在地、連絡先、
製造方法、購入量、受領日等の情報、②自社製品について納品先、
ロット番号、納品日等の情報を、自社で確実かつタイムリーに把握する
しくみを構築しておくことが不可欠です。
ファーストフード会社が中国の工場で製造した肉まんに
認可されていない食品添加物が使用されていたことが判明した。
同社は11月末にその事実の指摘を受けて工場の在庫56万個を
廃棄したが、日本に出荷していたものについては廃棄を指示
していなかった。
この食品添加物については中国、米国では使用が認めら
れています。
このため、中国工場で日本でも使用が認められていると誤解
したことも考えられます。
海外に製造を委任し輸入する場合、現地で使用する原材料に
ついて予め具体的な使用を指示し、それが遵守されているか
サンプリングで抜き打ちチェックする等の対策を行うことが
重要です。
また、本件では、本社が未認可食品添加物使用の事実を把握
した後も、日本出荷分について対策を実施しておらず、問題が
深刻化してしまいました。把握直後に適切な情報開示と製品回収
を実施しておけば、企業イメージや製品イメージの失墜を極小化
できたと考えられます。
消費者に直ちに被害が発生しない場合であったとしても、法令はあらゆる局面に
おいて最低限守るべきことであり、常に自社のコンプライアンス(法令遵守)の理念
に基づいて適切な判断と行動をすることが必要であるといえます。
折りたたみ自転車の安全・品質・機能について全国の消費生活センター
に寄せられる相談が増加しており、1991年度以降の相談87件のうち59件が、
危害・危険情報39件のうち、25件が1999年度以降のものである。
また、事故の原因箇所はハンドル11件、フレーム9件、ペダル8件と
なっており、これらが折れたり、外れたりすることによって、骨折(6件)、
擦過傷・挫傷・打撲傷(14件)等が発生している。骨折6件のうち、
入院または3週間以上の治療を要する重傷事故が5件を占めている。
ここがポイント
国民生活センターが行った強度テストによると、比較的低価格の
製品に、JIS規格を満たしていないものが目立つという傾向が見られました。
また、継続使用による耐久テストでも低価格品に問題が生じやすい
という結果が出ています。
法令やJIS規格を満たしていることは最低限の条件であり、価格が
低いから最低レベルを満たしていないというのは理由になりません。
本来であればさらに他社製品や類似製品の安全レベルを勘案して、
自社において適切な安全レベルが確保されるよう設計・製造する
必要があります。
全国47都道府県、企業向け損害保険相談取り扱い件数16,235件(平成30年)
労災・賠償保険の年間平均相談受付件数、400件超
損害保険事故処理件数年間平均90件超
現在、インターネット販売による企業向け損害保険相談にて、多くの取り扱い件数を誇る。
大手損害保険会社・営業・事故処理業務等、広く従事。
外資系大手生命保険会社にて、生命保険集中研修。
専門課程取得ライフコンサルタント認定(9900389340)
損害保険特級(一般)資格取得
変額保険資格
証券2級外務員資格・特級損害調査資格取得
厚生労働省ファイナンシャルプランナー技能士認定(F20210644108号)
全国MVPタイトルを2種目で獲得。
主席にて保険会社退社後、
有限会社東京リスクマネジメント設立
AFP資格取得、特定非営利活動法人日本ファイナンシャルプランナーズ協会加盟(No.39422473)
損害保険の大量のトラブルを解決していくうちに、それぞれ職業により発生するトラブルはほとんど同じだとということに気づきました。
損害保険の保険金が出る・出ないでトラブルになるのもほぼ一緒。
いまはネットで私のような専門家からアドバイスを受けられる時代です。
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