アンモニアタンクの欠陥を巡るPL訴訟で、被告メーカーが敗訴

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アンモニアタンクの欠陥を巡るPL訴訟で、被告メーカーが敗訴

アイオワ州在住の男性が、業務として、大量のアンモニアの入ったタンクをトレーラーで輸送中、
運転を誤ったためにトレーラーが横転した。そして横転直後に、アンモニアの入っていたタンク
が破裂して大量のアンモニアが流出し、男性は大量のアンモニアを吸引したことにより死亡した。
問題のタンクは1971年製のもので、鋼鉄製の2つの半円柱形シリンダーを溶接して製造
されたものであった。

この男性の遺族はこのタンクを製造したメーカーを相手取り、損害賠償を求めてアイオワ州
地裁に提訴した。一審において原告は、専門家証言を引用しつつ、当該タンクの溶接
作業が不十分であったことが破裂事故の原因であると主張した。これに対し被告側は、
・アイオワ州では、「製品が設計・製造・販売された当時において、当該製品がその当
時の最高水準(state of the art)に従っていることを被告側が証明した場合は、被告
には責任が及ばない」という趣旨の成文法が存在する。
・当該タンクは1971年当時の業界における技術水準に従って製造されたものであり、
このことから、自社には責任はない。などと反論した。

一審において裁判官は、「原告が問題点の存在を証明したとしても、被告メーカーが
当時の最高水準に従ったことを証明すれば抗弁として成り立ちうる。本件では原告
は単に被告メーカーにおける製造上の不備を指摘しているだけで、当時の最高水準
を踏まえた本質的な問題点を明らかにできていない」と説示し原告を敗訴させた。

原告はこれを不服としてアイオワ州高裁に控訴した。控訴審において被告メーカーは「た
とえ製造技法に問題があったとしても、タンクの設計コンセプトが業界における当時の技
術水準を満たしていれば、このことが抗弁として認められるべきである」と改めて反
論した。

控訴審の裁判官は、
・原告の指摘する製造技法に関する欠陥(タンク溶接技術の不備)について、業界慣
行に従うのみでは被告の抗弁とはならず、製造技法が当時の最高水準を満たした
ことをもって初めて抗弁として成り立ち得る。この点被告は、タンク製造時の溶接技術が、
合理的かつ経済的な観点から、当時の最高水準であったことを主張立証できていない。

・また当然のことながら、争点ではない設計コンセプト(2つの鋼鉄製半円柱形シリンダーを溶
接してタンクを形成する設計コンセプト)に関して、当時の最高水準を満たしたことを主張して
も、争点が製造技法である限り抗弁は成り立ち得ない。

と判示し、一審判決は技術水準の抗弁の適用に誤りがあったとして被告メーカーの主張
を斥け、審理を原審に差し戻した。

 ここがポイント
PLリスクの分野において、state of the artとは、「メーカーが製品を製造した当時、法令規格
類、業界水準、文献などによって公知になっている最高水準の科学技術」のことを指し
ます。被告メーカーが自社製品の欠陥の不存在を主張(製品安全に関し、製造当時の最
高の科学技術水準を満たしている)するために、PL訴訟等において、state of the artの
抗弁を用いるケースがあり、米国の多くの州においてもこの抗弁の適用が認められていま
す。これは、我が国PL法4条1号に定める「開発危険の抗弁」と同種の概念であるといえます。

 本事案では、このstate of the artの抗弁の適用の可否が大きな争点となりました
が、state of the artとは単なる業界慣行ではなく実現可能性を踏まえた最高水準の
技術を指すものであること、また、製造技術の問題に関しては設計コンセプトに関する
state of the artの抗弁が認められないとして、被告が敗訴に追い込まれた結果とな
りました。

 本事案が示すまでもありませんが、PL訴訟が提起された場合において、企業としては、
原告が主張する欠陥の種類(設計上の欠陥、製造上の欠陥、指示警告上の欠陥など)
に対峙した適切な抗弁や主張立証を行っていくことが大切です。

また、企業としては、安全性確保の検討にあたり、単に製造当時の規制・基準・慣行に
とらわれることなく、製造時における科学・技術の水準を踏まえ、自社製品が合理的に
とりうる最高の安全レベルに達しているかどうかを自ら厳しく検証することが必要です。



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海外PL保険請負人 大室順一郎
事業リスク請負人 大室順一郎

全国47都道府県、企業向け損害保険相談取り扱い件数16,235件(平成30年)
労災・賠償保険の年間平均相談受付件数、400件超
損害保険事故処理件数年間平均90件超

現在、インターネット販売による企業向け損害保険相談にて、多くの取り扱い件数を誇る。

大手損害保険会社・営業・事故処理業務等、広く従事。
外資系大手生命保険会社にて、生命保険集中研修。
専門課程取得ライフコンサルタント認定(9900389340)
損保大学課程専門コース資格取得
変額保険資格
証券2級外務員資格・特級損害調査資格取得
厚生労働省ファイナンシャルプランナー技能士認定(F20210644108号)
全国MVPタイトルを2種目で獲得。
主席にて保険会社退社後、
有限会社東京リスクマネジメント設立
AFP資格取得、特定非営利活動法人日本ファイナンシャルプランナーズ協会加盟(No.39422473)

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損害保険の保険金が出る・出ないでトラブルになるのもほぼ一緒。

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経営者の為の情報誌、月刊ビジネスデータ11月号に紹介されました。

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